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トリビア・ジャーナル553

★歴史には過去に起こったただ一つの真実があるだけで、「もしこうだったら」という"IF"の概念はナンセンスだと言われた記憶がある。その例として、「もしクレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう」というのは、考えるだけムダだとさとされた。だがいまファーガソンの「戦争」の翻訳に取り組んでいると、IFを踏まえた「別のシナリオ」がたくさん出てくる。たとえば、こうだ。「もし日本軍が1942年に、太平洋でイギリスの牙城を崩そうと思ったのなら、パプアニューギニアのポートモレスビーやミッドウエーを攻撃するのではなく、中国や満州に展開していた兵力の一部を割いてセイロン(現スリランカ)を攻撃していたならば、状況は変わっていたかもしれない」。面白い想定だ。歴史学者たちは、さまざまなシミュレーションを作ってIFを追及していかなければ、ユニークでアカデミックな業績は残せないわけで、ショーバイにはならない。「覆水、盆に返らず」という不可逆性は変わらないが、さまざまな想定があったほうが、読みものとしては面白くなる。
★前に、イギリスで誘拐された美幼女の話を書いた(548)。「チョーかわゆいので、だれかがペットとして持ち去ったのか」という感想を私は記したが、スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)や地元警察も、同じことを考えたに違いない。容疑者としてかなり尋問を受けたのは、誘拐場所のポルトガルのビーチに近い場所に住む33歳のロリコン男性(名前から判断すると、ポルトガル人ではなく、イギリス系と思われる)だ。彼は、インターネットでこの種のサイトをサーフィンしていたらしい。なんの趣味でも、嫌疑の対象になり得る。イギリスの代表的な大衆タブロイド紙「サン」は、"独占"取材で顔写真も名前も出したが、結局は「無罪放免」された。したがって、事件はまだ未解決。「プライバシーも何もない、書きドク」というのがタブロイド紙の特徴で、パパラッチされたほうはたまったものではない。ダイアナ妃も、その犠牲者の一人だった。浜の真砂が尽きるとも、イギリスのタブロイド大衆紙と中国の海賊版行為は決してなくなるまい。 仙名 紀

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