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トリビア・ジャーナル818

★フィットネス・トレイナーの山本ケイイチが書いた『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』(幻冬舎新書)には、共感できる表現がいくつも出てきて、示唆に富んでいる。「筋トレはメンタルに効く」。なぜかというと、「心拍数が高まってくると、活動性が高まって、自分に対してポジティブになれる」。「トレーニングのメンタル面でのメリットは、リフレッシュやリセット効果のほかに、クリエイティビティを高める効果もある」などなど。翻訳学校のクラスで、私はよく「翻訳には、メンタルタフネスとフィジカルタフネスの両方が必要だ」と話した。これがともに得られるとすれば、トレーニング・ジムは効果バツグンではないか。翻訳段階でタフネスが欠如している証拠が如実に表れるのが、いったん自分が訳した文章を、もう一度、原文と照合して通読することを怠るケースがきわめて多いことで、これにはにビックリする。最も面倒で、気乗りのしない作業なのだが、これを実行すれば、かなりエラーやまずい文章に気づいてブラッシュアップできるのだが、それをスキップしてしまうために、詰めが甘くなり、仕上がりがプアになって、評価が下がる。むかし使われた諺「九じん(にんべんに刃)の功をいっき(一の次の字は、説明できないほどむずかしい)に欠く(本当はすごくむずかしい漢字)」にある通りだ。意味はーーものすごく高い山を築いたのだが、最後にモッコ一杯の土が足りなかったために、完成しなかった。心しなくては。
★麻生太郎は、好かれるキャラクターを持っていて、「秋葉原のシンボル」とか持ち上げられているが、総理としての見識やビジョンについてはまだ未知数だ。前に総裁候補といわれたとき、『とてつもない日本』(新潮新書)を読んだが、それほど感心するものの見方は感じられなかった。だいたい、このようにアンビギュアス(あいまい)な用語を書名にする感覚ないし言語センスが気に入らない。「とてつもない」を『広辞林』で引くと「すじみちにはずれている。むちゃだ。途方もない」とあって、「とんでもない」というネガティヴなニュアンスが強い。枝葉末節なことで、国家のグランドデザインを描く能力とは無縁かもしれないが、インテリジェンスの面では、ガクンと右肩が下がった。だから、2年前に出たこの本を、私は読んですぐポイしてしまったし、アマゾンの中古ではいま9円で買える。そうは言っても、私が無責任で感覚的な総選挙予測をすれば、麻生×小沢の闘いで、やはり与野党逆転の可能性は低いのではないかと思っている。 仙名 紀

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