トリビア・ジャーナル965
★新宿区図書館で『レッド・データ・アニマルズ 絶滅動物一覧』という大型の本を借りてきた。ずっと前にいなくなった、たとえばドードーという飛べない鳥などもいるから、写真ではなくすべてカラーイラスト。そのなかにアメリカの「クロアシイタチ」(フェレットの仲間)もあった。この本が出た2001年の時点では確かにそうだったのだろうが、グドールの近刊では、これは「復活」している。つまり、野生状態では絶滅した EW=Extinct in the Wild なのだが、残っていたわずかな個体を捕獲して交配させ、子孫を増やしてふたたび野生に戻すことに成功した一つの例だ。グドールの本に含まれるもう一つのジャンルに、「ラザロ徴候(Lazarus syndrome)」というのがある。絶滅した、と思われていたのに、あるとき偶然に、あるいは懸命に探した結果、ふたたび見つかり、増殖できたケースだ。ラザロとは、イエスによって死からよみがえらされた人物だが、自然界では、知られざる場所で密かに生き延びてきたケースだ。たとえば、ガーナのアカコロブスというサル、オーストラリアのタスマニアオオカミなどがその例で、本で具体的にルポされているのは、Lord Howe's island Phasmid といわれる、ナナフシの仲間だ。stick insect と呼ばれる棒みたいな昆虫だが、ここのは「太い葉巻き」ぐらい太い。これは1930には絶滅したと思われていたのだが、2001年2月に、ダヴィーデ・プレッディ博士が再発見し、増やすことに成功した。グドールの本の優れた点は、それらをインターネット情報でまとめるのではなく、この話でも博士に会って話を聞き、自分の手にこの虫を這わせてみせる、ジャーナリスティックな手法にある。いまではこの昆虫もグーグルの画像検索でたくさん出てくるし、動画映像もある。最近のインターネット情報量の豊かさには、心から驚嘆する。
★新疆ウィグル地区の騒動に関して、このコラムの962回に、"Invisible China"の内容を引用して書いた。そうしたら、この本の共著者の一人、Jacob Rawson から、日本語のコメントが寄せられた。私がアマゾンUSで読んだ記憶では、著者は中国語ができて、通訳なしで取材できる、と書いてあった。さらに、日本語もできるのだった。想像するに、彼らの書名をグーグルで検索しているうちに、私のブログがひっかかったに違いない。新しいものなので、割に上位に入っている。「私たちが書いた本は、日本でも読められているのは本当にうれしいです」とあったので、私はすぐ英語でメールした。実は私がエージェントにリクエストしたところ、アメリカのエージェントからコピーが送られてきたのだが、日本ではまだ版権を取った出版社はない、と伝えた、直ちに返事が来た。版権交渉には直接タッチはできないが、何かお役に立てないか、というので、では日本のエージェントにメールでパブリシティ・データを送って欲しい、と要請しておいた。いい本なのだが、いまの出版不況では、飛びつく出版社がすぐに出ることはあまり期待できそうにない。このブログも、また読まれちゃうかな。
★巣鴨とげぬき地蔵の商店街は、4の日には屋台が出てさらににぎわう。14日に行ったら、ブレスレットを売っている屋台がいくつもあり、「今日は石(14)の日だから、特別に安くしとくよ」、という。自分で作っているというおじさんの店に、黒い「天眼石」のブレスレットがあり、「みんな目のような模様がある」という。知らなかったので、それを買ってすぐ手首にはめた。帰ってインターネットで調べたら、「チベットのダライラマ14世がノーベル平和賞を受賞したとき身につけていて有名になった」のだそうだ。「眼球メノウ」とか「チベットメノウ」ともいわれる、パワーストーンなのだそうだ。それじゃ、愛用しよう。 仙名 紀


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